DXとは
DX(デジタルトランスフォーメーション)は「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」というものです。私も最初は何だか抽象的でよく分からないと感じました。
それもそのはずで、DXは企業変革を進めるための 「概念」 です。
よくITとの違いは何?という話がありますが、ITは情報技術の略で、インターネット通信やコンピュータを組み合わて、生活を便利する「技術」を指します。
一方DXは、様々なIT技術を利用して、「人の生活や企業をより効率的に、より便利な仕組みや改革を起こしていきましょう」という概念になります。
つまり簡単にいえば、今までのやり方だと効率が悪く、人もコストも掛かるので、
「新しい技術を使って、企業の業務のあり方を変えましょう! 」と言っています。
DXが注目された背景
DXはお話したように、デジタル技術によって企業の業務のあり方を変えていく概念です。
この概念が推進された背景には「国際競走」と「経済成長の鈍化」があります。
経済産業省や多くの大手企業が感じるデジタル化の遅れによって生産効率も下がっている上に、少子化で人もいないとなると、これからの日本は終わってしまうという懸念によるものでした。
しかし多くの企業は、既存のシステムでも仕事は回っているから大丈夫と、関係のないと思っていたことも事実です。
結果、コロナという予測不可能な自体が起こった時に、 元からデジタル化を進めていた企業とそうでない企業で、売上状況が大きく異なりました。
この様々な要因から、企業がこの先10年生き残っていくためには今デジタル化を進める必要があると多くの企業が動き出すこととなりました。
DXは本当に良いことなのか?メリットとは?
DX化を目指すといっても、デジタル技術の活用なので、種類は数多くあります。
一方中小企業や個人事業主で考えられるDX化のメリットは「業務効率化によるコスト削減」、「労働環境の改善」、「人手不足の解消」、の3つが挙げられます。
業務効率化によるコスト削減
デジタル技術の活用といってもイメージが湧きにくいかもしれません。まずは工場のロボットをイメージしてみてください。
例えば、有名な例でカップラーメンは人が作っているわけではありませんよね?何百万子のカップラーメンを人の手で作っていたら、おそらく1つ1,000円くらいしてたかもしれません。
工場のロボットを利用することで、作業ミスなく効率的に早く生産することができます。
簡単にいえば、 デジタル技術はインターネット上で動くロボットです。 皆さんが習慣的にネットを介した作業の多くは、今やロボットが代わりにやってくれます。
総務・経理・品質管理・営業など、部署に関わらず、パソコン作業を自動で行ってくれるツールを活用することで、自動的に業務を終わらせてくれるので、 定型業務の時間を大幅に削減してくれます。
労働環境の改善
朝から晩まで、誰でもできる仕事を淡々とこなしていくのはストレスがかかります。
現状の業務を一部だけでも自動化することができれば、業務時間内に仕事を終わらせることができるだけでなく、余った時間を他の有効的に活用することもできます。
経営者にとっても、従業員にとっても嬉しい環境が作れます。
人手不足の解消
近年少子化や離職率の向上といった背景から、限られた人材リソースで多くの仕事をこなしていく必要がでてきました。
毎年、 従業員の離職の可能性も考えて採用を続ける企業 や、売上を伸ばしていきたいのに 日々の作業に追われている個人事業主の方 は多くいらっしゃいます。
業務効率化のツールを利用すし、費用対効果を考えた上で導入を進めれば、人手が少なく業務を遂行できるだけでなく、低コストで人を雇うよりも安く作業を終わらせられます。
DX化が失敗に終わる原因とは?
なかなかDX化が進められない理由として、「そもそもの業務課題が明確になっていない」、「今の業務課題に対して、どんな企業やツールを検討すればいいのだろうか」、「押し売りで導入後に、定着しないのは一番避けたい」などの声は非常に多いです。
DX化が失敗に終わる理由は
現状の業務課題が明確ではない
業務課題が分かってないまま、流行りに合わせて、DXツールを導入してしまうケースがあります。
例えば、営業部署に課題がありそうだと感じて、流行りの顧客管理ツールを新しくしてみたが、営業部署の課題は社内のコミュニケーションだと分かり、チャットツールを導入すれば解決したなどです。
DXツールは活用すれば、便利に 効率化が図れることは間違いありませんが、ボトルネックになっている課題を明確にせずに進めるのは危険 です。
業務課題に対して、最適なツールやサービスが分からない
先程の例で、業務課題は営業部署の社内コミュニケーションだとしましょう。
課題解決の方法は「社内チャットツールを導入するか」、「営業の進捗管理ツールを導入するか」、「営業のタスク状況がわかるツールを導入するか」など、方法はいくつもあります。
最適なツールを導入する上で大切なのは、ツール販売会社ではなく、 導入をサポートしている企業にヒアリング してみることです。
ツール販売を目的とするのではなく、導入後の運用状況を重要視する企業に話を聞くことで、費用対効果が明確になります。
経営者やトップ層と現場での温度差がある
DX化は現場の声が大切です。トップ層は会社全体のためを考え、デジタル化推進は重要だと言うことを分かっています。
しかし実際利用する現場の課題を無視してしまうと、結局利用されないままになってしまうことがあります。
DXツールを新たに導入する際には、 導入までのスケジュールや教育の流れを予め決めておく必要があります。
よって、必然的にツール販売元やサポート企業のアフターフォローが手厚いかどうかも採用の判断機銃になります。
既存システムを並行して使っていっている
DX化する際は、必ずゴールを決めましょう。
いつまでに完全移行するのかを社内全体で決定し、全メンバーで同じ方向に進んでいく必要があります。
例えば、顧客管理ツールを導入するのであれば、いつまでに顧客情報を移行するのか。現場のメンバーはいつから新しいツールに情報を追加していかなければならないのか。
使い方をいつまでに習得しなければならないのかを決定し、 既存シスステムを計画的に脱却していきましょう。
何から始めればいいかわからない。
既にお話した通り、DX化といってもツールやデジタル技術は数多とあり、それぞれの企業や業務内容に応じた施策を進めなければなりません。
初めて社内業務効率の改善やコスト削減を検討し、ツールやシステムの導入を考える際は、下記の3つから初めてみてください。
社内で業務の課題を洗い出し、優先順位をつける
まずはざっくりで構いませんので、業務の課題を洗い出しましょう。
「課題」というと経営者も現場の人も、別に困っていないという結論になってしまいます。そこでおすすめなのが、下記の問いを投げてみることです。
例えば、経理がやっている業務は何なのか(経費精算や給与の処理)?その中で一番面倒な作業は何なのか(経費精算が面倒)?の2つから初めてみても良いかもしれません。
実例集から自社と同じシチュエーションがないかみてみる
何か効率化できそうだが、どの業務から着手すればいいかわからない方も多いです。
社内で検討してもうまくいかない場合は、 ツール販売やサポート企業の実例を見てみてください。 その中には必ずあなたと同じ状況の方がいらっしゃいます。
例えば、「経理 効率化」や「経理 ツール」などで調べてみると、多くの企業が実例やお客様の声を掲載してみるので、参考になると思います。
販売元、導入支援会社にヒアリング
一番手っ取り早いのが、ツール販売会社やツール導入支援会社にヒアリングしてしまうことです。
特に販売元ではなく、 ツール導入支援会社がおすすめです。
ツール導入支援会社であれば、導入後の運用・サポートを重要視している会社なので、より具体的にあなたの会社の状況を理解し、提案してくれます。
また1つのツールだけでなく、複数のツールや機能を知っていることも大切です。既に繰り返しお話した通り、DX化には多くのツールやデジタル技術があるので、業務効率化の方法は1つではありません。
複数をうまく組み合わせて、利用していくことで、圧倒的な業務改善を達成することができます。
よってヒアリングを通して、運用時に問題にならないかという事だけを念頭において、色々な会社に話を聞いてみるのも良いかもしれません。