RPAとは
RPA(Robotic Process Automation)とは直訳すると「ロボットによって、工程を自動化する」という意味です。
簡単に言い換えると 「人間の代わりに業務を自動的に行ってくれるツール」 のことです。
日々の習慣的な定型業務などの自動化が可能になり、事務作業の効率化ができるというわけです。
結局RPAで何ができるの?何が得意なの?という質問をよく頂きますが、
私はいつも 「パソコンで行っている作業はほぼ全て自動化できるようになります」 とお伝えしています。
具体的には下記のような作業が想定されます。
・システム入力
・システム検索/抽出
・ファイル作成/変換
・システム間連携
・データチェック
・データ集計/加工
・Web情報収集 ダウンロー
・アップロード
・メール送受信
なぜRPAが注目されているのか
RPAが注目された背景には広い視点で言えば 「人口減少に伴う人材不足」 があります。
人口が減っているのはご存知だと思いますが、同時に昔は存在しなかった事業が生まれた多様化したことにより、若い世代の人材確保が難しくなっています。
また人材を育てていったとしても、転職や退職されてしまうと、またイチから教育しないといけないため非常に効率が悪かったわけです。
結果より少ない人材で効率的かつ、教育の必要がない仕組みを作るためにRPAでのような業務を人間の代わりにこなすロボットが注目されました。
2019年時点でRPAでの導入率は、日本企業全体の38%となっています。
RPAは業務の効率化によるコスト削減目的で利用されることが大きな理由です。
一方2018年から発生したコロナの影響もあり、デジタル化の対応次第で企業の存続を左右する自体になりました。
元々 デジタル化に移行していた企業とそうでない企業で、売上構造に大きな差 ができてしまいました。
今やRPAを初めとするDX化は絶対に必要と言っても過言ではありません。
RPAの特徴
冒頭で「RPAはパソコンで行う作業はほぼ全て自動化できる」とお伝えしました。しかし専門家あ必要な特殊な技術ということであれば、ここまで浸透はしていません。
RPAが注目された理由には、3つの特徴があります。
誰でも簡単にシステムを構築・運用ができる
RPAはプログラミング技術は一切必要ありません。
マウス操作でチャートやステップを操作することで、 簡単にパソコン業務の自動化が実現できます。
よって何か変更がある度に専門家に頼まなくても、すぐに修正作業が可能です。
様々なパソコン業務に対応ができる
RPAは様々なツールをまたいだ業務に対応可能です。
例えばweb上での作業から、デスクトップのExcel作業を連携することなどができます。
よってSFAやCRM(顧客管理ツール)の情報をExcelに転記したり、その逆も可能です。
これだけでも15分近くの業務が短縮されるので、 組み合わせ次第で大幅な業務時間削減に繋がります。
人間の場合、就業時間が決まっているので、時間や曜日に左右されます。
しかしRPAはロボットなので24時間365日稼働できます。
週明けの仕事始めにあらかたの業務が終わっているなんてことも実現可能かもしれません。
例えば下記のような、日常業務はRPAはの得意分野になります。
・入力業務
・集計業務
・転記業務
・コピー&ペースト
・レポート作成 ・情報収集
・データ集約/加工/保存
・メール自動送付
・照合・確認業務
RPAの活用のポイントは、より多くの部署の業務を自動化し、部署をまたぐ連携まで達成することです。
よって、RPAはほぼ全ての部署で利用することを前提に利用されています。
・営業
・マーケティング
・経理
・人事
・総務
・情報システム
イメージが湧きにくいと思いますので、営業部署を例に見ていきましょう
- 営業リスト作成
- リードとなりうる企業情報データをwebサイトかた一括取得し、Excelへリスト化
- 顧客情報管理
- 顧客情報をExcelなどからCRMに自動登録(顧客情報の一元化) CRMやSFAから顧客実績データを取得し、レポートを作成(週報などで利用)
- 契約情報の登録
- 注文書や申込書、CRMでのステータスから、契約管理システムへ自動転記(受発注工程の自動化・請求書の発行も可能)
- 競合情報・ニュースの収集
- ウェブからプレスリリースや求人情報などを取得 各店舗、支店のデータの統合 各営業部署の実績データ収集し、1つのシステムに登録(Excel管理でも可)
営業部署は本来の営業活動に専念でき、事務作業の多くが自動的に処理してもらえるため、担当者、管理者の両方にとって嬉しい結果を得られます。
RPAのメリット
既にRPAをメリットが見えている方もいると思いますが、あえてここでまとめておきます。
- 人的ミスがなく、業務エラーが生じない
- ロボットなのでミスをしないのは当然ですが、ポイントは人間感のコミュニケーションエラーも発生しません。
- 「あれやりましたか?」、「OOの確認が取れてないんですが?」などのやり取りがなくなります。
- 圧倒的な業務処理スピード
- 作成したシステム内容にもよりますが、人間で1時間かかる作業を数分で完了させることが可能です。
- コア業務に専念できる
- 人間の集中力には限りがあります。コア業務からノンコア業務へ複数の作業を同時にこなしていると、本来1時間で終わるはずの雑務に2時間かかるなんてことも多くあります。
- 雑務や習慣的業務はロボットに任せ、その他の時間を有効活用することができます。
- 人件費などのコスト削減につながる
- 企業の業務内容にも寄りますが、例えば業務進捗のレポート作成だけでも作業時間が75%削減した例もあります。年間で200時間以上削減できたとの報告も少なくありません。結果として、必要な業務に必要な人材を配置し、採用数を減らし、コスト削減につながります。
- 働き方改革を推進
- デジタル化推進による働き方改革を行うことができます。一番のメリットは残業を減らし、充実した業務活動を行えることによるよりよい労働環境の実現といえます。
RPAは何から始めればいいの?失敗する人とそうでない人
RPA導入の際に、初めての方が失敗する4つの理由が下記になります。
- 自動化したい業務が明確ではない
- 良いツールがどれなのか、選定基準を設けていない
- ツールを導入したが、結局使い方がわからない
- RPAの販売元のサポートがなく、なかなか進まない
この問題は「業務効率化の全体像が見えていない」ということになります。しかしそれもそのはずです。
RPAはここ数年の間に徐々に浸透していったシステムです。急に自動化しましょう!と言われても無理な話です。
そこで 業務効率化でRPAを使う上で大切なポイントをまとめてみました。
RPAツールの販売元なのか、サポートしてくれる企業なのか
RPAツールを含む、その他のデジタルツール導入で最も大切な点が「導入後の運用を見据える」ということです。
いくら便利といっても、使えなければ意味がありません。おすすめはサポートしてくれる企業を先に選定しておくことです。
例えば、MicrosoftはTeamsを提供していますが、Teamsのサポートは少ないです。あくまで使い方を教えてくれるだけなので、企業ごとにあった設計等は行ってくれません。
この点を担っているのがサポート企業になります。具体的なヒアリングを行い、課題感や 実現したい目標に合わせたツール活用方法を設計・運用を行ってくれます。
コストを上回る効果があるか
RPAは業務の効率化によるコスト削減の実現が可能なのが特徴です。現状行っている業務時間に変化がなければ、全く意味がありません。
RPA導入費用を人件費で計算すると、どれくらいのコストカットになるのか?
RPA導入によって、コア業務専念による売上向上はどれくらい見込めるのかを考えておきましょう。
何の業務が課題か分からないなら、聞いたほうが早い!
日常の業務を行っていると、「現状でも仕事は回っているし…」と先延ばしになってしまいます。
まずRPAサポート企業に直接「OOの部署の業務改善を行いたい」と伝え、 提案を受けてみる のが良いかもしれません。
もし可能なら「OOの業務は自動化可能ですか?」など具体性があれば、なお良いです。
運用までを見越した、カスタマーサポートは充実しているか
最初の導入支援をしてくれる企業ももちろん重要な選定基準ですが、運用時までサポートしてくれるかも大切です。
RPAは自動化する業務シナリオをどれだけ増やせていけるかで、業務効率もコスト削減率も大きく異なってきます。
社内で運用できる体制ができるまで並走してくるサポート企業を選ぶことは特に重要なポイントです。