人間が行う重複するタスクやルールベースの作業をコンピュータプログラムを用いて自動化する技術であるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、働き方改革の影響もあり注目を集めています。
そんなRPAには様々な資格が存在します。これらの資格は、RPAを専門的に研究し、技術や知識を身につけたことを証明するものですが、国家資格のようなものはありません。
現時点ではRPAツールを販売するベンダーがそれぞれ認定資格試験を実施しており、これに合格することでRPAの資格を取得することができます。
RPAには「WinActor」、「UiPath」、「BluePrism」、「BizRobo!」、「Automation Anywhere」等の様々なツールがありますが、 この記事では「WinActor」に関する技術取得レベルを評価する試験である「RPA技術者検定」 について解説します。
WinActorとは
WinActorは、NTTアドバンステクノロジ株式会社が開発したRPAツールの1つです。
RPAは、人間が行う重複するタスクやルールベースの作業をコンピュータプログラムを用いて自動化する技術です。
WinActorを使用することで、RPAを実装することができ、効率化や省力化を図ることができます。
WinActorは、Windowsアプリケーションを対象としたRPAツールであり、そのためWindows上で動作するアプリケーションの自動化を実現することができます。
RPA技術者検定
RPA技術者検定は、WinActorに関する知識やスキルを検定する資格試験のことを指します。
RPA技術者検定は、株式会社NTTデータが実施するものであり、この検定は、「アソシエイト」と「エキスパート」の2つの難易度に分かれています。
この資格試験に合格することで、 RPAに関する知識やスキルがあることを証明することができるため、RPAを使用する仕事を探すことができるようになったり、自分自身のキャリアアップににつなげることができます。
ここでは、RPA技術者検定のそれぞれの難易度や特徴をご紹介します。
RPA技術者検定アソシエイト
RPA技術者検定アソシエイトは、WinActorの活用に必要な基礎知識が身についているかを評価する初心者向けの検定です。
検定時間は60分で、WinActorに関する50問を選択式で解答する形式になります。
この検定を受験することで、WinActorに関する基本知識が備わっているかを把握することができます。
難易度は比較的低めですが、検定のためにしっかりと学習することが必要です。
RPA技術者検定アソシエイトを取得するメリット
- WinActorの知識が一定水準を満たしていることを客観的に証明できる
- WinActorの知識を学習するため、WinActorの実務力に直結する
- 組織におけるDX人材育成への活用や、RPAに関わる業務担当者の評価に活用できる
- RPAを用いたコミュニケーション手段の一つとして活用できる
RPA技術者検定アソシエイトの試験概要
試験名 | RPA技術者検定 アソシエイト |
受験資格 | なし |
試験形式 | 全国のCBT試験会場受験 or リモート受験 |
問題数 | 50問 ・WinActorの概要(10問) ・WinActorの機能に関する知識(20問) ・WinActorのシナリオに関する知識(20問) |
出題形式 | 多肢選択式問題 |
試験日時 | 年末年始を除く毎日実施 ※会場により受験可能日・時間帯は異なる |
試験時間 | 60分 |
受検対象者 | ・WinActorの基本的知識がある人 ・WinActorでシナリオ作成経験がある人 ・WinActorの基礎知識を学びたい人 |
合格基準 | 原則として、正答率7割以上を合格。 ただし、問題の難易度等により変動する場合あり |
申込方法 | インターネットによる申込 |
受験料 | 7,150円(税込) |
(参考:https://cobotpia.com/gym/watest/expert/)
RPA技術者検定エキスパート
RPA技術者検定エキスパートは、WinActorの基本機能を利用したシナリオの新規作成や修正について出題され、実務における自動化の技術レベルを評価する中級者向けの検定です。
検定時間は120分で、選択式問題30問に実技問題3問も加わります。
合格するには「選択式試験」と「実技試験」のそれぞれの合格基準を満たす必要があります。
この検定に合格すれば、WinActorの応用力を示すことができるためスキルをアピールすることができます。
RPA技術者検定エキスパートを取得するメリット
- RPAによる自動化対応の技術(WinActor活用)が一定水準を満たしていることを証明できる
- マニュアルからは判断できない実務に応じた効率的なWinActorの活用を進めることができる
- 組織におけるDX人材育成への活用や、技術支援を行う際の技術者レベルの評価に活用できる
- RPAを用いたコミュニケーション手段の一つとして活用できる
RPA技術者検定エキスパートの試験概要
試験名 | RPA技術者検定 エキスパート |
受験資格 | なし |
試験形式 | オンライン受験 受検環境:WinActorバージョンVer7.4.1 |
出題形式 | 選択式問題と実技問題(2部構成) |
問題数 | 選択式問題30問 実技問題3問 |
試験時間 | 120分 |
受検対象者 | ・WinActorについて理解しており、WinActorを業務改善ツールとして活用経験がある人 ・WinActorのシナリオ新規作成た修正、トラブル対応の経験がある人 |
合格基準 | 「選択式試験」および「実技試験」それぞれで合格基準を設定しており、合格するためには、双方の合格基準を満たす必要がある |
申込方法 | インターネットによる申込 |
受験料 | 21,780円(税込) |
(参考:https://j-testing.jp/Reserve/Certification/Detail/1085)
まとめ
今回の記事ではRPAの資格、RPA技術者検定の詳細や資格取得のメリットなどを解説してきました。
RPAの資格には国家資格はありませんが、各ベンダーが提供している認定資格があります。
RPAを利用するうえで資格は必須ではありませんが、RPAツール活用スキルの証明になる資格として有効になります。
自分の会社でRPAを利用している方は、資格取得により業務の幅が広がることもあるかもしれませんし、より深く理解したいと考えておられる方などもぜひ試験に挑戦してみてはいかがでしょうか。