業務のDX化が進まない多くの理由は「既存のシステムでも問題なく業務が遂行されているから」です。
ただ今回、2018年から企業のあり方が大きく変わり、DX化をもとから進めていた企業とそうでない場合で大きく影響は異なりました。
少子化にともない、着実にDX化を進めていないことの危険を感じる4年間となりましたが、今もなお、デジタルに移行できていない企業も50%以上います。
DX化を進めていく必要性は分かっているが、実際検討段階に入ると採用まで至らないことがほとんどです。
その上で前回、DX化を進める上で一番重要な「DX化・業務改善ツールの導入は費用対効果で考える」についてご説明しました。
今回はさらに深堀り、 具体的にどのような方法で費用対効果を検証するのかをお話したいと思います。
DX化ツールの代表としてRPAをベースにご説明します
RPA(ロボット・プロセス・オートメーション)は、人間の作業を自動化する技術です。
RPAを使用すると、デスクトップアプリケーションやWebアプリケーションなどを操作して、入力やデータの取り込み、データの加工、レポートの生成などを自動化することができます。
・デスクトップアプリケーションやWebアプリケーションの操作
・データの入力や取り込みデータの加工や整理
・レポートの生成システム間でのデータのやり取り
・その他、人間が行う重たい作業や繰り返し作業
RPAを使用することで、作業効率を向上させることができます。また、RPAを使用することで、作業のエラーやミスを減少させることができます。
実際にRPAの導入や運用を検討する際には、 導入や運用にかかる費用と投資対効果を比較検討することが重要です。
RPAの導入や運用にかかる費用は、RPAツールのライセンス料や導入支援や運用支援にかかる費用などがあります。
また、RPAの効果としては、作業効率の向上や作業エラーの減少、作業者の負担軽減などが挙げられます。
そのため、RPAを導入することで、人件費の節約や生産性の向上が期待できると考えられます。
費用対効果は2つの視点から検証する
費用対効果は2つの視点から考えていくことで、中長期的にDX化していくことのメリットが見えてきます。
ぜひ業務のDX化を検討する方は参考にしてください。
①コストベースの視点
1つは 「業務にかかるコスト」と「自動化システム/ツールの運用費」を比べる ことで、費用対効果を検討していきます。
例えばECサイト運営会社がRPAを活用する場合を想定します。
ECサイトを複数運営している人にとって面倒な顧客対応ですが、RPAを活用すれば受注受付や入金、発送完了の確認メールを顧客に自動で送信することができます。
サイトごとに管理システムが異なったり、在庫管理システムとの連携が面倒な場合でもRPAを活用すれば、全て自動化することができます。
「業務にかかるコスト」とは、例でいうとECサイト運営会社が顧客対応にかかるコストを計算することで算出できます。
「時給 X 業務にかかる時間」から年間どれくらいのコストがかかっているかを計算します。
そしてRPAツールを活用した場合のシステム管理費や利用料と比較して費用対効果を検証することができます。
注意すべき点はRPAツールの場合、こうした自動化するシナリオを複数作るほど費用対効果が高くなります。よって自動化したい業務を予め想定しておくことが重要です。
もしどんな業務が自動化できるのか分からない場合はぜひ弊社にご相談ください。
②売上向上や利益率アップの視点
2つ目は 「業務の自動化によってできた余力時間をどう活用できるか」という視点 で費用対効果を検証していきます。
RPAツールなどの活用によって、業務の一部でも自動化できれば、その時間を他の業務に利用することができます。
わかりやすい例で言えば、営業部署などでのRPA活用があります。
営業部署が面倒なWEBサイトからの顧客データ収集作業や、日々の見積書・請求書作成、提案書・レポート作成、顧客メール対応などは全てRPAで自動化することができます。
営業担当者は事務作業を自動化することで、余った時間を顧客獲得に活用することができます。
仮にRPA活用によって1日あたり2時間余力ができれば、テレアポ(1件3分を想定)した場合、60件の顧客や企業にアプローチすることが可能になります。
そのうち1件でも契約につながれば、それだけでRPAツールにかかる費用を十分に賄うことができる場合があります。
大事な視点は2つ目
1つ目の「業務にかかるコスト」と「自動化システム/ツールの運用費」を比べる場合は、コスト削減の視点です。
2つ目の「業務の自動化によってできた余力時間をどう活用できるか」は、売上向上の視点です。
よく業務の自動化で注目されるのは1つ目ですが、DX化の本質は2つ目になります。
人間がしなくても良い作業はロボットに任せ、本来注力すべき業務に時間をかけるというのが、今後10年以上の続く企業にとって重要な観点です。
確かに今は現状の業務システムで回っているから問題ないかもしれません。一方でコロナ化でDX化を進めていた企業が売上を落とさなかったように、10年以内に必ず節目がやってきます。
それまでに現状のシステムを脱却し、売上や利益に直接つながる業務だけに専念できる環境を今のうちに整えておくことが大切ではないでしょうか。
ぜひ業務の自動化やDX化に興味のある方は、一度ご相談ください。